子供の絵本店

失われた時。
極上の、静かな短篇小説のよう。 時の流れにはさからえず、人も町もうつろってゆく。 かつて気ままな暮らしを楽しんだシェイカー通りは今はなく、 小ぎれいな“貯水所通り”が、山の手の暮らしのような面影をみせている。 鄙びてくすんだ光景のなかに、シェイカー通りの人々の赤や黄や青の 服や小物や車の色が差し色になって、生活の息吹やあるいは煩雑さを ほうふつとさせる。 変わらぬものがひとつだけあった。 ヴァン・スループじいさん、元気かい？
何気ない日常が幸せだったのです。
子供の頃の自分の住んだ町のことを思い出してみてください。僕の住んでいた町には、湧き水の豊かな川がありましたが、今は枯れてしまってその面影はありません。人は少しずつ失っていきます。緩やかなので普段は気にも留めないけど、気付かないうちに失っているものって確かにあるのです。　　

この絵本を読んでそんなことを思いました。明確なテーゼもなく、ただシェイカー通りに住む人びとのことを一家族づつ淡々と語っていくだけなのですが、なぜか穏やかな気持ちになることができます。

この話は世界のいたるところで日常的に起こっていることです。

そうしてなつかしい見慣れた通りは記憶の中だけに生き続けます。何気ない日常が幸せだったのです。

エキゾチックで不思議なジプシーの昔話
　貧乏なジプシーが、助けた魚やワシ、アリの王様に助けられ、「王女からかくれてみつからなかったら王女の夫になれる」という王女の難題に応え、王女の心も射止めてめでたく結婚するという、一見何の変哲もない昔話のようですが、「王女から隠れる」とか、銀色の魚のうろこを燃やすと助けに来てくれるとか、口から入って隠れるとか、ひとつひとつがエキゾチックで、不思議な雰囲気にあふれています。ポーランド人作歌の再話にスズキコージさんがつけた絵が、暗くて大胆で、エキゾチックさをさらに助長しています。
　小学校の読み聞かせで３年生に読みましたが、十分わかりやすく、しかも聞き応えもあり、皆とても集中して聞いてくれました。お薦めです。
不思議な不思議な楽しいお話
一人のジプシーは出掛けた先で、銀色の魚やワシの子供、アリの王様を助けてあげます。その後、王女様を好きになったジプシーは、王女様と結婚すべく、逆に銀色の魚やワシの子供やアリの王様に助力を頼みます・・・・。

このジプシーの昔話に限らず昔話とは大概そういうものですが、奇想天外な展開や話のまとめなどに無駄が無い点など、非常に良くできていると思います。スズキコージ氏の絵は好みの分かれるところですが、ストーリーにインパクトがある分、ちょうど釣り合いがとれているのかもしれません。

どれにしようかと迷った挙句・・・
　娘の誕生日に一冊だけにしようと思っていたのですが、シリーズものだけに続きが読みたくなって、本屋さんでは一冊に絞れずに帰ってきました。帰っても気になってネットで4冊セットを発見し、即購入。１冊ごとににじいろのさかなの心の成長を見ることができ、にじいろのさかながいろんな感情を教えてくれて、子供たちの大のお気に入りです。2シートのシールがついているのも魅力的です。
５才と７才娘が取り合いして読んでいます。
表紙も中の本もとても美しく見ているだけで癒されます。 少し版が小さく、字も小さめですが、 人気のシリーズが入っていて、子供達は飽きずに読んでいます。 ４冊入りなので、きょうだい仲良く読んでいます。
BOX＝宝の箱
それぞれの作品も素敵だけれど、BOXセットになって｢やさしさ」｢思いやり｣「勇気」が詰まった宝の箱になった。

いつもそばに置いておけるサイズでありながら、絵の美しさも堪能できるおすすめのBOXセットです。